産地の暮らしを紹介する。産地歩き Vol.11



実りの秋。

2016年10月。秋田県北秋田市。 お米づくりは稲刈りを終え、出荷作業に追われています。
乾燥した籾(もみ)を、籾すり機で籾殻と玄米に分け、最後に袋詰を行います。


今年の新米はどのような出来でしょうか。


地上部を枯らし、来年に向けた仕込みを終えた山野草。
このまま雪の下で冬を越します。


イワシャジンの開花期は9月中旬〜10月上旬。


ツバキも開花期を迎えています。


溶岩鉢は山野草の盛り合わせ。
まるで自然の野山のようです。

紅葉の秋。

阿仁合駅は、秋田内陸線のほぼ中間にある要所。
国内外からの環境客で賑わっています。


風情のあるたたずまいの無人駅。
花を飾り、大切に使われている様子が伺えます。


付近の林道の様子を見てみます。
林道はどこも道幅が狭く、荒れている路面が少なくないので、小型の4WD車で入るのが無難です。


林道の外は崖になっているので注意が必要です。


こちらの沢の紅葉はもう少し先のようです。
しっとりした空気を全身に浴びて後にします。


日を改め、紅葉を求めて森吉山へ。
阿仁ゴンドラを降りて歩きます。


この日は風もなく、汗ばむ陽気でした。


ゴンドラの山頂駅から20分ほど歩いて石森に到着。
ここから山頂までは1時間程度とのこと。


山頂にズームしてみると、人が沢山いるのが見えます。


山頂を正面にして左手には、森吉神社と避難小屋があります。


1週間もすると、さらに濃い赤になるのでしょう


下から吹き上げてくる風もなく、強い日差しが照りつけていました。


思いがけず夏の頃のような汗をかいて下山。


ゴンドラのおかげで、手軽に高山の紅葉を楽しめます。

食欲の秋。

この日は、山野草の生産者でもある山歩きの名人の、キノコ採りに随行します。
名人いわく、簡単なお散歩コースで高速道路もあるとのことです。
何がどうなっているのでしょうか。


探し始めると、さっそくハタケシメジが見つかりました。
名人には高性能の国産センサーがついているそうです。
笑いながら、本当にあっという間に見つかります。


次々にセンサーにかかります。
隠れても無駄だ。
名人の軽妙なトークで笑いが絶えません。


上からは見えないところにも、回り込んで見つけます。
隠れても無駄だ。


こちらはヒトヨタケでしょうか。
毒キノコには十分な注意が必要です。


続いて沢に入ります。
沢はかつて木材を運搬するために岩盤まで削られていて、舗装路のように歩きやすくなっています。
これは確かにお散歩コースかもしれません。


沢には山菜のミズが自生していました。
シャキシャキ食感の中に粘りもあって美味しいミズのコブも沢山あります。


濃い緑の沢が続きます。
普段デスクワークの仕事仲間にも是非体感して欲しい。
そんなことが脳裏をよぎりました。


しばらく歩いたところで、名人「さぁて、あの尾根まで登るから。」
やっぱり。このままでは終わりませんよね。
当然斜面に道はありません。
雑木を掴みながら、急斜面を滑り落ちないように這い上がります。


汗だくになりながらジグザグに登ること数十分。
するとありました。山の上に歩きやすい場所が。
尾根は雑木が少なくスイスイ歩けます。
これは確かに高速道路です。


尾根をしばらく歩くと、目的の場所にはホコリタケがありました。
まだ種類の判別がつかないほどの幼菌時に見つけ、今回改めての確認となりました。
成長した頃を見計らって訪れる洞察力に驚きます。


サルノコシカケを発見。
健康食材としての需要があるそうです。


倒木にブナカノカがついていました。


幹が太い木があり、ふと見上げると立派な枝ぶりになっていました。
キノコを探して下ばかり見ているので、これまで名人も気が付かなかったと言います。
フレームに収めきれないほどの見事な広がりです。


大きな栗の木もありました。
ということは。
ありました。熊の食べ残しです。
器用にくり抜いていますね。
この山では名人も熊に遭遇したことがあるとのこと。
思わず周囲を見渡します。


山を下り、帰り道でもセンサーの感度は抜群。
この写真のどこにキノコがいるか分かるでしょうか。


手提げ袋はもういっぱいです。


後日、場所を変えて、お散歩コース第二弾でマイタケ探し。
名人曰く「もっと簡単なコースだ。」と笑顔ですが、果たして。
ちなみに、林道が草で埋まっているほどの山奥です。
もちろん熊は居るとのこと。


車を停めると、さっそく急斜面(!)に突入。
丈夫そうな枝を掴みながら這い上がります。


とにかく雑木の量が凄まじい。
小枝が顔にバシバシ当たります。
けれど手を離すと滑落するので、絶対に離せません。


ひょいっと登る名人の後をひいひい追いかけることしばらく。
目的の大木に到着。
マイタケを探して辺りをくまなく探します。


驚いたのが、この頃になると目が鍛えられていました。
ありました。進みやすい経路が見えます。
下りのほうが難しいので、特に慎重に経路を選んで降ります。


帰る頃には、日が傾き始めていました。
オレンジがかった林が美しいこと。
この景色を見るためだけに来てもいいくらいです。


と、景色にうっとりしている間にも名人のセンサーが働き、木陰にサモダシを見つけました。
驚愕の性能のセンサーです。


帰りの道すがら、森吉山ダムに立ち寄ります。


湖面に夕日が反射して美しい。


森吉山ダムは、岩石を積み上げるロックフィルダム構造です。


阿仁鉱山に代表される鉱山資源に恵まれた土地のため、これだけの岩石を確保できるのでしょう。


さて、採取したキノコは道の駅に出品。
この年はマツタケも沢山採れていました。


ハタケシメジを下ごしらえ。


ブナカノカも水洗いします。


ビールで乾杯をしたら、大根おろしとともにツルッといただきます。


馬肉の煮込みに、採りたてのミズとブナカノカを加えてさらに煮込んだ一皿。
シャキシャキのミズと、じゅわーっと味が滲み出るブナカノカの組み合わせは最高です。


体の芯から温まるお吸い物の香りは、やみつきになります。


マツタケの素焼きと、右にはホイル焼き。


そしてやっぱりご飯はマツタケご飯。

煮る、焼く、蒸す、炊く。 キノコは、様々な調理方法で豊かな香りと食味を存分に楽しめる、万能な食材でした。
何より、今回の随行で、完全に天然ものの見方が変わりました。
いただく際には手を合わせたくなります。



〜今回訪ねた主な場所はこちら〜

阿仁合駅。

森吉山阿仁スキー場。

森吉山ダム。


最寄りの空港はこちら。
大館能代空港。