産地の暮らしを紹介する。産地歩き Vol.6



収穫を終えたら、ひと息。

2015年10月中旬。秋田県北秋田市。
稲刈りを終えて秋が深まる、北東北地方の山間部。
平地が少なく、立体的な景色が続きます。


かわいい色使いの列車は、秋田内陸線。
秋田県大仙市の角館駅と、北秋田市の鷹巣駅を結ぶ路線です。


山あいにポツンとある、阿仁マタギ駅。
これぞ秘境の駅といった風情です。


駅の裏には川が流れ、吊橋がかかっています。


川辺もだいぶ色づいています。
奥の探索はまたいずれ。
歩道が整備されているわけはないので、足元には十分な注意が必要です。


山麓の棚田の稲刈りは、まだまだこれから。


充分に実った稲穂が頭を垂れています。


はさがけで干される稲。
手間がかかりますが、後熟が進むなど、品質上の利点があると言われます。

休眠と開花の山野草。
春に開花期を迎えた品種は、地上部を枯らし、次の春に向けて休眠に入ります。
秋に花をつける品種は、今が旬。
育つ期間は、種類によって様々です。

イワシデ(岩四手)は、紅葉真っ盛り。


秋になると咲く、コルチカム。


ダイモンジソウ(大文字草)のつぼみ。
これから開花を迎えます。


売れ筋の、トウキ(当帰)の苗。
株分けして、販売します。


休眠の仕込みを済ませた、八重咲きエンレイソウ(延齢草)の鉢。
このまま雪の下に置き、冬を越します。


咲いている頃の、八重咲きエンレイソウ。
この美しい姿を知ってしまうと、手間を惜しめません。

秋の風と登る、森吉山。
山頂から始まった紅葉は、徐々にふもとへ向かって降りて行きます。
ふもとの紅葉は、見頃まであともう少し。
山頂へ歩みを進めると、緑、黄、赤への移り変わりを楽しむことができます。

ふもとの山間を流れる沢。


開けた斜面では、一面にすすきが輝いています。


山の中腹で、牛が放し飼いされていました。


ゴンドラで、山頂近くまで行きます。


標高が上がると現れる、ブナの森。


低い木まで、色づいています。


ゴンドラを降りたら、登山道を進みます。
雲の流れが早く、光と影の陰影がくっきり。
冷たい風に、身が引き締まります。


緑が香るしっとりした空気のなか、呼吸のリズムを掴みながら足を運びます。


山の天気は変わりやすく、冷たい風が吹き上がると、瞬く間に霧に包まれます。


しばらくすると霧が晴れ、見渡すかぎりの紅葉が広がります。


人生の中で、こうした景色に触れる機会は何度あるでしょうか。
澄んだ風を全身に受けながら、いつまでも見入ってしまいます。









紅葉のトンネルを抜け、十和田湖へ。
十和田湖は、青森県と秋田県にまたがる湖。
巨大火山の噴火によってつくられた、二重カルデラ湖です。
今回は、南側から進みます。

止滝発電所のそばにある滝。
道路のすぐ脇に、こうした滝がいくつもあります。


石橋がかかり、渡ることができます。




発荷峠展望台から望む十和田湖。


十和田湖は周囲を山々に囲まれており、紅葉のトンネルをくぐりながら湖畔まで下ります。


広く穏やかな水面の湖畔。


水が澄んで綺麗です。
底に見られる白い模様は、周辺の地層に含まれる、軽石の砂でしょうか。

秋の収穫祭。

濃い霧の朝。
夜間の気温が下がり、朝方に霧が立ち込めることが多くなりました。


畑も朝露に濡れています。


稲刈りが終わった田んぼ。
少し先はまったく見えません。
この時期は気温が上がりにくく、10時頃まで霧が残ります。


水路には、大きく育ったザリガニがいました。


地域の朝市にて。
みなさん顔見知りで、今年の野菜の成り具合や、苗の良し悪しなどをお話しています。


朝市で購入した、手作りのごまゆべし。
ごまの風味が効いた、昔ながらの味わいです。


晴れた日中は、ネギを収穫。
秋の時間は早く、もう夕暮れが近づいています。


その日食べる野菜も、収穫しましょう。


夜、収穫物をご神前にお供えする、新穀感謝祭が行われました。
田畑を開梱し受け継いできた先祖に感謝し、収穫の喜びを分かち合います。


珍しいわさび大根。
畑の片隅に植えておいたのを、掘り起こして試食してみます。


すり下ろすと、ツーンとわさびのような風味が漂います。
爽やかな辛みで、お刺し身などによく合います。


キンキの塩汁。
この地域では、年越しに食べられることが多い高級魚です。
脂ののった身が、出汁の効いた塩味とよくあいます。


秋が深まり、すっかり日暮れが早くなりました。
今年の農期も、まもなく終わりです。



〜今回訪ねた主な場所はこちら〜

阿仁マタギ駅。


森吉山。


止滝発電所。


発荷峠展望台。


十和田湖。


山野草の販売所はこちら。
道の駅 かみこあに。

四季美館。


最寄りの空港はこちら。
大館能代空港。