産地の暮らしを紹介する。産地歩き Vol.1




2015年1月、秋田県北秋田市。
この年、里山のふもとに位置する集落は、例年より多く降り積もった雪に覆われていました。
根雪となった雪が音を呑み込み、静寂な時間が流れています。


田んぼと畑は雪の下で冬眠。
生き物の気配がなく、冷たい風の音だけが聞こえてきます。


白と灰色の景色に映える、真っ赤な木の実。
冬の間、鳥たちの貴重な食料になるのでしょうか。


軒下には、干した大根の葉。
品種は、方領(ほうりょう)大根。
秋に植えたのを収穫し、冬の間食べます。
葉が柔らかく、干して食べるのに適しています。

強い根のために。

風雪にさらされるままの、山野草と盆栽の管理棚。
自然環境に近い状態で管理される草木たちは、野山と同じように雪に覆われています。


雪化粧の草木は活動をひと休み。
静かに春の訪れを待っています。


この分厚く積もった雪の下にも、山野草の鉢植えがあります。
あまりの雪の量に、株の状態が心配になるほど。
厳しい環境を乗り越えた草木が、春の訪れとともに芽吹き、夏に向けて力強く育っていきます。


霜の合間から発芽しているのは、高い滋養強壮効果があるとされる、行者にんにく。
春に向けてゆっくりゆっくり成長していきます。

甘みを育む、暖かい室。

冬季に育てられる作物は限られ、栽培のためのビニールハウスも雪に埋もれています。


室内で育てられているのは、長ネギと九条ネギ。
冬どりの野菜は甘みがあり、熱を加えるとその甘みがいっそう引き立ちます。

脂がうま味の、比内地鶏。

敷地には秋田比内地鶏も。
畑で取れた野菜を刻み、餌に加えるのがこだわりです。
たくさんの野菜を食べて育った鶏は脂が甘く、うま味がたっぷり。


鶏ガラを煮詰めたスープに卵をあわせ、茶碗蒸しにします。
表面に浮き出てた脂が美味しさのサイン。
甘く濃厚なうま味が濃縮されています。

炭火で焼く、もちもち食感。

火をおこす囲炉裏は、地元の大工職人の手作り。


地域で生産されるお米はあきたこまち。
秋に収穫した新米をすりつぶし、杉の棒につけたらじっくり焼き色をつけます。
焼きたてはホクホクもちもち。ついその場で食べてしまいます。


きりたんぽを焼いた後は、おつまみを焼いて一杯。


すべての食材が揃ったところで、秋田名物きりたんぽ鍋へ。
味付けは酒と醤油のみ。
各素材が持つ甘いうま味が、深い味わいを生み出します。

見上げたくなる空。

これからが冬本番の北日本。
時おり覗かせる澄んだ青空が、モノクロームの雪景色を青く染めます。



〜今回訪ねた主な場所〜

山野草の販売所はこちら。
道の駅 かみこあに。

四季美館。


最寄りの空港はこちら。
大館能代空港。